求人ってじつは不動産に似ている
いまから10年くらい前、ある特許を申請するために弁護士の先生に広告の仕組みについて説明してたんだけど、そのときに「ああ、なるほど、ようは不動産と同じってことだね」と先生がおっしゃったのがとても印象的でいまでもおぼえている。
つまり「かぎられた枠を売買する(おおむね需要と供給で価格も決まる)」という点で構図としては同じだと。
いわゆる本質論というやつで、それからはより一層「この新しげに見えるやつは、既存のなにと似ているのか」と考えるようになったし、その習慣はいまもつづいています。
それから数年後、「ああ、これこそ不動産と同じじゃないか」と思ったのが「求人(採用)」です。求人というのはまさにかぎられた枠を取り合う(売買じゃないけど)という点で、不動産と似ている。
そしてこのことに気づいたのとほぼ同じタイミングで「これいいな」と思ったのが、東京R不動産というサイトが実装していた「この物件に空きが出たらメールでお知らせするよ」という機能です。
ぼくのなかでこのふたつは別々の出来事なんだけど、同時にひとつのこととして受け止めた。なんでかよくわからないけど、まあ「ひらめく」というのはそういうことかもしれない。
そして「企業は求人ページに『現在求人中』の職種だけ掲載するのではなく、将来求人する可能性のある職種もぜんぶ掲載しておいて、いざ求人開始になったら見込み求職者にメールでお知らせする機能をつけたらいい」と考えるようになり、じっさいけっこういろんな人に話した気もする。
残念ながら当時のぼくが期待されていたのはマーケティングの領域での貢献だったので、この手の提案が受け入れられることはなかったんだけど。
でもいつか、もし、自分が会社をつくったり、どこかの会社で人事にかかわる仕事についたら実現しようと思ってた。
まさかほんとうに社長になるとは思ってなかったし、いまでもついつい忘れがちなんだけど(「団長」の自覚はあるんだけどねえ)。
じっさい転職ってタイミングがほぼすべてですよね。転職したいと思っても人事に空き枠がなかったり、企業側もけっきょく「さあ募集するか」と求人を開始してから見つけられるかぎられた人材の中から選ばなきゃいけない。
タイミングがほぼすべてだからこそ、できるだけこれをコントロールできないか考えたいんですよね。それも求職者にとっても企業にとってもメリットのある方向で。
引っ越しでたとえると、いつかここに住みたいなと思いつついまの家で暮らすのと、いざ引っ越しが決まってから次に住む家を探しはじめるのではぜんぜんちがうわけです。
いまは「とりあえず雑談しに来ませんか」みたいなカジュアルな(?)転職サイトもあるけど、ぼくみたいに人見知りな人間はそういうのはとても抵抗があるし、そもそもこのカジュアルさ自体がある種のリトマス試験紙になっていて、ぼくのような人間はまずフィットしないだろうなって思う。
前に「世の中には休みの日に会社の同僚とバーベキューする会社としない会社のふたつしかない」みたいな話をしたけど、いろんな会社があっていいと思う反面、前者の会社ばかりが紹介されたり、「いい会社」とされるのはどうにも違和感がある。
ああ脱線しかけてる。ダメだダメだ。
求人ページの話に戻します。
残念ながら攻城団合同会社はまだ社員を募集できるタイミングではないのだけど、今年からは(予算の許すかぎり)業務委託を中心に外部の方にどんどん手伝っていただいていこうと思っています。
そこで手伝っていただきたい作業の一覧を掲載して、協力者を募集するページを用意しました。
で、ようやく話がつながるんだけど、そこに「案件が掲載されたら(=ページが更新されたら)メールでお知らせする」機能をつけました。
将来的にはフリーランスの方や主婦の方や副業OKの会社の方など、100人くらいの方がいつでも手伝うよといっていただけうようなグループになればいいなと思っています。
ちなみにメールを送るシステムですが、かつてsmashmediaってブログを書いてた頃に「EBISU GIGS」って飲み会を不定期に開いていて、その「飲み会を開催するときにメールでお知らせする」機能をブログに用意していたのを再利用しました。
リユースは大事ですからね。あ、団員にメールを送る仕組みを自作する予定があるので、そのときにリプレースするつもりです。
ま、考え方としてはかつてぼくが考案した「入荷お知らせメール」と同じですね。ワンパターンというか。
じっさいのページはこちらです。お知らせメールの登録はもちろん、いますぐのご応募もお待ちしています!