電話番号のブラックリスト化でドタキャンは防げるのか
電話番号が個人情報にあたるかどうかはさておき、これが実効性のある対策なのかについてはなかなかむずかしいんじゃないかと思った。
電話番号が使いまわされるリスクについては比較的軽微なものだと思うんだけど、電話番号の取得方法がもし「サイトから入力されたもの」や「口頭で聞いたもの」を含むのであればドタキャンするようなモラルのない人ほどウソの番号を伝えるので、無関係な人に害が及ぶことになる。
着歴のみを登録する場合はこれを回避できそうだけど、公衆電話や会社の電話からかけてきた場合はどうするのかという問題もある。
ドタキャンはほんとに困るし、お店の経営に大きなダメージを与えるので撲滅したい気持ちはよくわかるんだけど、こうしたブラックリスト的な対処で解決するとは思えないんだよね。
じゃあどうするか。
ぼくだったら、ネット予約の場合は少額でもいいから事前にお金をもらうようにするかなと思った。飲み放題のコースなら金額も予約時に確定するので全額事前決済でもいいかもしれない(そのかわり割り引いてあげるとか、一品オマケするとか)。
ホテルの宿泊予約は「現地決済」の手段も用意されてるものの事前決済があるし、ポイントバックなどで事前決済に誘導しようとしている。じっさい何割の予約者が事前決済を選んでいるのかはわからないけど、お金をおさえておかないかぎり(金銭的なリスクを負わせないかぎり)ドタキャンは減らないように思う。
食事の場合は「席のみ」予約ということも多いから事前に金額が確定しないケースも多々あるけど、その場合は「ひとり1000円」とかで一部だけおさえといて、差額は現地精算にすればいい。
けっきょくのところ、性善説で運用したいなら、システム設計はとことん性悪説で構築するべきで、ブラックリストをつくろうとしているのに相手が正しい電話番号を伝えてくれるはずだというのは、泥棒がチャイム鳴らして玄関から入ってくると考えるくらい愚かなことのように思えてしょうがない。
まあ事前決済にするとそれはそれで手数料がかかるし、返金の手間が増えたりするので現場が歓迎しないことも想像できるんだけどね。
攻城団のガイドツアーも決済手数料をケチって事前決済にせず現地で徴収することにしたし。
困ったもんですね。