いまさっき思ったこと

あとで読み返したときになにかが生まれるかもしれないし、生まれないかもしれないけど、それはそれでいい

ソーシャルメディアの活動を評価する(できるのか?)

最近は「エンゲージメント(率)」の数値化は「いいね!」の数やお気に入りに登録された数、あとは返信数など、投稿に対するすべてのリアクション数を、インプレッション数やファン数、あるいは投稿数などで割ったものを指すらしい。
しばらくこのへんを追っかけてなかったんだけど、そうか、そこに落ち着いたか。
 
でもそれってただの反応率じゃね?
ペットの写真や、ランチの写真をアップして「いいね!」を押してもらったとして、それは「エンゲージメント」を達成できたと考えていいんだろうか。
エンゲージメントと大仰な言葉を拝借して、「顧客との(良好な)関係性」という質にフォーカスしたにもかかわらず、あまりに物足りない感じがぬぐえないのはぼくだけだろうか。
 
一方で、取得可能な数字をこねくりまわしてなんらかの指標を作っていかなければならないという現場の悩み(というか苦しみ)もよくわかって、やってることは正しいはずなのに、てかそれはえらい人もわかってるはずなのに、数字で説得しないと承認されないという現実問題があるわけですよね。
(こんな雑な数字で説得されちゃうのかという疑問は残るけど)
 
ということで、ぼくもひさしぶりに現場に戻ったこともあり、取得可能な数字をこねくりまわして少しでも意味のある指標がつくれないかと考えてみました。

Facebookの評価指標

まずエンゲージメント率の見直しです。
1投稿あたりのリアクションを、総リーチ数で割るようにしました。
 
エンゲージメント率(改)=(いいね!数+コメント数+シェア数) / 投稿数 / 総リーチ数
 
これは「総ファン数で割るとアルゴリズム変更で大きくぶれるから、総リーチ数で割ったほうがいいよ」とアドバイスしてもらったからで(ありがとう)、たしかにこっちのほうがフェアな評価ができる。

 

ちなみに総リーチ数は、インサイトから投稿データをエクスポートして「主要データ」の「通算 投稿の合計リーチ」を集計したものです。ざっくり、投稿を見た人(記事単位ではユニークユーザー)と解釈できます。

 
で、これだとビジネスへの貢献も測れなければ、ウケ狙いの投稿を抑制する歯止めにもならないので、自社サイトへの送客数も見るようにしました。
これはFacebookのクリックを見ずに(たぶんこれって写真のクリックとかも含んでるよね?)Google Analyticsの流入数(facebook.com / referral)の数字を見るようにしました。
 
こういうことです。
 
1投稿あたりの反応数=(いいね!数+コメント数+シェア数+送客数) / 投稿数
 
リアクション率=(いいね!数+コメント数+シェア数+送客数) / 総リーチ数

 

たまたま写真投稿をリンク投稿に変えた期間があったのですが、送客数を含めないと数字は減少していたのに(やっぱり写真の被「いいね!」率は高いですね)、含んだ数字で見るとあまり変わらず安定していました。

 
総ファン数がどの計算式にも使われてないんですけど、だからといって重要視してないわけじゃありません。総リーチ数を増やすには総リーチ数を増やすか、広告を出すか、シェアされるか、エッジランクを高めるかしかないわけですからね。
逆にいえば、総リーチ数の増加につながらないファンを増やしても意味がないってことですね。
 
けっきょくのところ、Facebookの運用を評価するには
リンククリック(サイト訪問)も含めたリアクションを増やすこと
が主目的で、それを達成するために
「1投稿あたりの反応数」を下げずに、「総リーチ数」を増やしていくこと
を意識して、そのチェックのためにエンゲージメント率を見るという感じかな。

ツイッターの評価指標

ぶっちゃけツイッターに関しては「質より量」と割りきったほうがいいのかもしれません。
なにかしら数字を見ようとしてみたのですが、なかなかむずかしいですね。
 
まずTwitterアナリティクスで「獲得インプレッション」「リンクのクリック数」「リツイート数」あたりは見るようにしています。
あとは1投稿あたりのリツイートを示す「拡散率」を割り出しています。
 
現状、ツイッターでフォロワー数を大きく増やしていくのはけっこうむずかしいので、インプレッションを増やすなら投稿数を増やしたほうが早そうです。
ただそれだとスパム化するリスクがあるので、フォロワーが減ってないかとか、ちゃんとリツイートされてるかというあたりをチェックして抑制する感じですかね。
 
いずれにしても企業がこうしたソーシャルメディアを活用する以上、多くの人に届けたいと願う気持ちは正当なもので、ただし「スパム化しないかぎり」という前提条件があるので、それを守るためのブレーキとなる数字を見るようにしなきゃいけませんね。
 
もちろん、これはあくまでもソーシャルメディアの活動を評価するという、きわめて限定的な話で、じっさいにはサイト訪問の頻度や、売上分析などをあわせて行いつつ、広い意味での(そして正確な意味での)「支持率」をちゃんと見なきゃいけないわけですが、それはまた別の話。
 
もし「うちはこんな感じで評価してるよ」ってのがあれば教えてください。

ネット上で長文を公開する際は分割するべきか(コンテンツ版入荷お知らせメール)

ネット上で長文を公開する際、それを1ページにぜんぶ載せちゃうか、あるいは複数ページに分割するかという選択がある。
とりわけパソコン通信世代や2000年代前半からネットを使ってるような人は1ページにぜんぶ入れこむことを是とする傾向があるけど、じっさいスマホで読もうとしたらそんなに長文を読めないし(デスクトップPCのモニタでもきつい)、そもそも細切れの時間にアクセスしている人たちが最後まで読んでくれるはずもないわけで、ここについては分割するしかないというのが現状。
 
次に、それを単に「次へ」のリンクで複数ページにするのか、あるいは「つづきは明日公開」として複数日にまたがった連載形式にするのかという選択がある。
ネットメディアでは前者が多い。もっとも2ページ目以降読むのにログインを必要とするパターンばかりだけど(それはそれで媒体資料づくりのためにやっているのだろう)。
後者のパターンは「ほぼ日」など少数派で、なんでこっちは人気がないんだろうね。
 
(「ほぼ日」を検索結果で見ないとか、ソーシャルメディアでもたいしてシェアされてないというのはURL体系含めたサイトの構造の問題で、公開するパッケージングの問題じゃないと思うんだけどなあ)
 
明日も読みに来てもらえる確信がない」という理由はありそう。
それはそのまま「ほぼ日」の強みでもあるんだけど。あれだけ読者の訪問が習慣化したメディアは多くないので。
 
じゃあ「記事が公開されたことを通知する仕組み」を用意すればいいんじゃないの。
商品の入荷お知らせメールと同じように、コンテンツの更新お知らせメールをつくればいい。
「この連載コンテンツおもしろいな。つづきが気になるからアップされたら教えてほしい」という方がさくっと登録できるようになっていて、(無粋な目的に使わず)ただただ次の記事が公開されたときにだけメールを送り、最終回の配信と同時に抹消する。
 
cakesはお気に入りの連載を登録することができて、新しい記事がアップされたら通知されるようになってる。これだよね。
 
メールの文面には記事にまつわる裏話なんかも書いてもいいだろうし、記事中で紹介された商品などの情報くらいなら入れてもウザくないし、むしろ喜ばれそう。
 
ともすれば「すべての記事の更新をお知らせするメルマガ」を発行して、それに登録してもらえばいいと考えがちだけど、たぶんそれじゃダメで、コンテンツが細分化された世界では、アラートも細分化して受け付ける必要があるんだと思う。
もちろん「すべてを通知する」機能を持ったメルマガがあっていいし、あるいはそれはツイッターなどの役割になるかもしれない。
 
ま、そもそも複数ページを一気に公開したほうが読んでもらえるのかもしれないんだけどさ。
ただそうだとしても週イチの1時間ドラマもあれば、毎日5分のミニ番組だって見られてるわけで、個人的には少数派側に活路を見出したいなと思ってるところ。

おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり