いまさっき思ったこと

あとで読み返したときになにかが生まれるかもしれないし、生まれないかもしれないけど、それはそれでいい

「ふるさと納税」で赤字?

まあそうだよなあという感想しかないのですが。

福島県郡山市において、「ふるさと納税」で全国から受け付けた寄付金の総額(IN)よりも、市民が他自治体に寄付したことによる市民税の控除額(財源流出額=OUT)のほうが多かったという話。
ちなみに昨年度はマイナス7389万円だったとか。

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ふるさと納税のおかしな点については多くの人が指摘しているとおりですが、最大の問題点は、資本主義の悪い部分を導入してしまったために、返礼品の豪華さを競う全国大会になってしまっていることがあげられます。
お米や牛肉などの特産品ならともかく、パソコンやiPadなどももらえたりしますからね。
寄付総額から返礼品のコストを差し引いたらいくら残ってるんですかね。

メディアの取り上げ方も株主優待と同じカテゴリで、「いかに得をするか」という切り口でしか紹介しないし、けっきょく地域格差や過疎の問題解消にはほとんどなんの役にも立ってません。アホみたいだけど。

記事の締めには

 控除額の約75%は国からの交付税で補填(ほてん)される。市は「過剰な返礼品競争は行わない」とした上で、寄付者の満足度の向上のため返礼品の種類を増やすなど拡充を検討している。

とあり、マイナス7389万円の75%はけっきょく交付税で補填されます。
そして「返礼品競争はしない」といいつつ、打開策はそこにしかないので「返礼品の拡充を検討」という矛盾した話になっています。

ちなみに郡山市の現在の返礼品は「郡山市のブランド米・あさか舞」です。
たぶん牛肉とかが追加されるんだと思います。

税金の使途を納税者が自分で(ある程度)決められるというのは美しい話に聞こえるんだけど、現実としては納税者側は「いかに節税して得をするか」という基準で行動する人が大半です。でもそれはルールの中でやってることなんだから責めてもしょうがない。

一方の自治体側は、返礼品をかき集め、物品や礼状を送る手間が増えて、いったいほんとうに幸せになっている自治体は全体の何割あるんでしょうかね。
やめちゃえばいいのに。

おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり