いまさっき思ったこと

あとで読み返したときになにかが生まれるかもしれないし、生まれないかもしれないけど、それはそれでいい

熊本のことを忘れないために

基本的に人の善意というものは長続きしません。というよりも人の興味の賞味期限は短いといったほうが正確かな。
それが同情であれ、共感であれ、あるいは愛情や憎悪であってでさえ、なにもしなければ沈静化していくし、いずれは「無関心」になってしまう。

某乳食品の会社による集団食中毒事件、某洋菓子メーカーによる食品偽装、某ハンバーガーショップによる商品異物混入事件などなど、世間を騒がせた事件は毎年のようにありますが、いまでも記憶している人はどのくらいいるでしょうか。
ただね、ぼくはこの「人は忘れる」ことを悪いことだとは思っていません。それこそ再チャレンジ可能な社会を実現する土台は、こうしたぼくらの「どんどん忘れる」習性だったりすると思うからです。

とはいえ大事なことは忘れない努力をするべきだし、ときに震災などの復興支援については1日でも長くその気持ちが持続するように、関係者が思考し、努力すべきだと思うんです。
ここでいう「関係者」はなにも被災者のことだけではなくて、「応援したい」と願う人のことも含んでいます。

少し前段が長くなりました。

今回、ぼくらは熊本地震で被害を受けた熊本城の修復再建を支援するために、チャリティTシャツをつくりました。
このTシャツの販売で得られた利益(ようするに原価をのぞいた金額)はすべて熊本市に寄付します。

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地震が起きたのは4月14日、そこから数日で日本赤十字社やCivic Force(シビックフォース)、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)などで支援金・義援金などの募集がはじまりました。
Yahoo!ネット募金も立ち上げられて、ぼくも所有するTポイントをぜんぶ寄付したのをおぼえています。

避難所などで人のプライベートな部分に文字通り土足で踏み込むマスコミの振る舞いに非難も起きてましたが、彼らが連日報道してくれたおかげで現地の様子を知ることができたのも事実です。
ただこうした報道もどんどん少なくなって、いまではほとんどテレビで熊本の様子を目にすることはなくなりました。まあ神戸のときも東北のときも同じですし、こればかりはしょうがないんだと思います。

そう、しょうがない。

ここでマスコミに対してぷりぷり起こっても意味がなくて、彼らは彼らの論理で動いているわけで――ようはライバル局よりも視聴者ウケする情報・映像を探しては流してるだけ――それは変わることはありません。

インターネットのチカラ、ソーシャルメディアのチカラがそれを打ち負かしたり、代替できるなんてこともありません。そんな妄言を口にするのは夢想家かただのバカです。
でも、火を消さない程度の貢献はできると思うんです。

攻城団は影響力も微々たるものですから募金を呼びかけたところで大金が集まるわけでもありません。ふたりでやってるので大きなことができるわけでもありません。
だから「はやく」は早々に諦めて、ぼくらは「ながく」支援することを自分たちの指針にしようと決めました。

マスコミが報道しなくなってからがむしろ勝負で、「いまの熊本(熊本城)」を継続して伝えていこうと、そしてひとりでも多くの人が、一日でも長く、熊本城が倒壊したことを忘れないように発信していこうと決めたのです。
(じつは熊本に引っ越そうかと考えもしたのですが、それは無理しすぎなのでやめました)

とはいえできることなんてたかがしれています。
それでも定期的に訪問してこれまでに2回現地レポートを書いてきました。そして今回、みんなといっしょに行動するためにチャリティTシャツをつくりました。

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たくさんの人にTシャツを買っていただけるとうれしいですけど、まずはこの記事を読んでいま一度、熊本に思いをはせる人が増えてくれたらいいなと思ってます。

詳しい経緯とか裏話的なのは攻城団のブログに書きました。

kojodan.jp

おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり