いまさっき思ったこと

あとで読み返したときになにかが生まれるかもしれないし、生まれないかもしれないけど、それはそれでいい

マザーハウスの成功要因に最愛戦略あり!的な話

この対談記事に「最愛戦略」が引用(?)されてるよと教えてもらったので読んだ。

読んでみると、たしかに書いてある。

目指すは「最愛」
佐々木:
おもしろいですね。大きく変わっている中で、小売として差別化をはかるポイントは?
 
山崎:1つのキーワードは「最高か最安か最愛」。
「最高」のものというのは、品質面などで一番のもの。これは、ちゃんと残っていく。「最安」のものも、必要品として残っていく。
もうひとつは「最愛」。何かの価値観によって最も愛されるものを作る、ということはすごく大事だと思います。私たちが目指すのも「最愛」のブランドです。

偶然同じことを思いつかれた可能性もあるけど、おそらくはぼくが書いたのを読んでくださったのか、どこかのセミナーで話したのを聞いてくださったのか(この話はすでに30回以上はあちこちで話してます)、あるいは又聞きされたのだと思います。 

ぼくは(論文が引用されるほど価値を増すのと同じで)コンセプトなんてのは踏襲されてなんぼだと思ってるし、ある意味では実証実験をしてくださってるわけでマザーハウスがこの戦略で成功していることはとてもうれしいです。

この対談でもすごくいいことを話されてるんです。
最愛を実現するために、スペックではなく商品(と販売)にまつわるストーリーを伝えるとか、まさに正しく理解してくださってるなあと思いながら読みました。
最愛戦略において重要なのは、選ぶ〜買う〜使うといった一連のプロセスすべてのコミュニケーションを「いい感じ」にすることで、そのために顧客を絞る勇気も時には必要だったりするわけですが、そのあたりのこともすべてわかってくださってる感じ。

お客さんを集めて開催する「お客様総会」なんてのも、いまぼくが攻城団で「サポーター」制度を通じて実現しようとしていることで、ほんとすばらしいです。

取材にお伺いしたいくらいです。

 

まあだからこそ「ネットで読んだんですけど」とか「ある方がセミナーで話されてたんですけど」とか、ひとことくらいあってもいいんじゃないというモヤッとした気持ちも残るんだけど、でもまあぼくも多くの企業事例(と自分や周りの人の体験談)を参考にさせていただいてこの「最愛戦略」というコンセプトを言語化したわけで、持ちつ持たれつって感じでおだやかな気持ちで受け止めることにしました。

ぼくも今度セミナーで話すときには「マザーハウスのえらい人が『最愛戦略』を採用して実行してくれてますよー」と使わせてもらおう。

でもほんとこのコンセプトはシンプルで時代を捉えてると思うんだよなー、自画自賛で気持ち悪いけど。 

marketingis.jp

ポストモダン・マーケティングの時代はとっくに到来している

さっきタカヒロさんのこのツイートを見て「あぁぁーー!」ってなった。

(この発言の経緯や文脈は知らないけど)たぶんそういうことなんだと思う。

もちろん「マーケティングの再定義が必要」とか「マーケティングは現代において拡張されている」とか言い方はほかにもあるんだろうけど、昨今の広告やマーケティング界隈に対する違和感とかギャップはここに原因があるような気がしてきた。

もうひとつ。

ぼくがむかしマーケティングについて書いてたブログの記事を最近1日1回ランダムに自動投稿するようにしているんだけど、ちょうど昨日はこの記事が流れてきた。

これを書いたのは2010年です。最初タイトルを「4Pの時代は終わった」にしてたら「すぐ『終わった』とか『死んだ』とかいうやついるよねー」と本文も読まずにバカにされたので、「、のかもしれない」とあとからつけたのを思い出した。
「終わった」といってるのはセス・ゴーディンであってぼくではない。『Purple Cow』読んでないのか。

それにしてもこの頃のセス・ゴーディンはキレまくってたなあ。
「Purple Cow(絶対目立つ非凡さ)」なんていまのソーシャルメディアが普及した時代ではめちゃくちゃ重要だし。

たぶんいまだと「Photogenic」とかがPではじまる単語としては最有力かもね。

じゃあフォトジェニックな商品、ワンフレーズで紹介できるサービスをつくるのはマーケティングの仕事なのか、という命題が生まれる。

いまマーケティング部がすべき仕事はなんなのか、マーケターがビジネスに貢献できる役割とはなんなのかを考えたときに、ちゃんと答えを持ち合わせている人はどのくらいいるんだろうか。

炎上が増えてる背景には狂った消費者の可視化だけでなく、時代の変化に適応できていないマーケターにも原因があるのかもしれない。

「紫の牛」を売れ!

「紫の牛」を売れ!

 

炎上させる意図がなかった企業と炎上を狙うことがある代理店の事情

一部で話題になっているウェブCMの件。最初に感想を書いておくと「たぶんある程度は折り込み済みだったんだろうな」と思って騒動を見てました。

電通関係者は「炎上を狙うことがある」と。

 「ウェブなら、燃えたほうが話題になるので、炎上スレスレ。または炎上狙いをすることがあります。普通のウェブコンテンツって全然アクセスがないんです。商品の広告をわざわざ見る人はいないので」

サントリーのビールCM炎上の舞台裏 電通社員「炎上を狙うことがある」

 サントリー広報は「炎上させる意図はなかった」と。

――今回の動画についてインターネット上や、弊社が取材した消費者や学識者からは、女性の「コックゥ〜ん!」という声や表情、カメラワーク、会話の内容などから性的なメタファーを感じるという声が出ています。そうした性的なメタファーを動画中に入れ込むという制作意図はあったのでしょうか?

新発売した「頂〈いただき〉」のおいしさを、ご当地グルメや方言と合わせて全国のお客様にお伝えする意図で制作したもので、ご指摘のような制作意図はございませんでしたが、結果として制作意図に反し、視聴された一部のお客様のご気分を害する結果となり、深くお詫びいたします。

サントリー広報「炎上させる意図は全くなかった」 PR動画『絶頂うまい出張』について直接聞いた

どっちがほんとうのことをいってるのかはともかく、それぞれがそれぞれの立場上そう答えざるを得ないといった感じ。企業の広報が「狙い通りよく燃えましたね、へへへ」とかいえるわけないし、まともな人ならブランド価値が毀損する炎上なんて狙うわけがない。

電通関係者が実在するのかは知らないけど、代理店側の事情もわかる。
エッジの立ってない動画が見られるわけないのは当然で、テレビCMとちがってネットの場合はユーチューバーとか松居一代とかぶっ飛んでる連中と競わなきゃいけない以上、あたりさわりのないCMで見てもらえるわけがないから、ギリギリを攻めざるを得ないという気持ちは理解できる。

そういう意味では最近だとトヨタは「昭和か!」って思うくらいのド直球なタレントCMをつくって、ネットにも上げてるけどあれはけっこう正しい気もする。
とはいえ石原さとみや新垣結衣を使った動画でさえ、数万〜数十万回しか再生されてないというのも事実。こんなにかわいいのに。もっかいいうよ、こんなにかわいいのに。


【プリウスPHV】趣味は試乗篇


【ノア】#金曜日の新垣さん 七夕篇

 

指標がまちがってるから手段もまちがうんじゃない?

広告予算が少ない商品の場合は(メジャーなタレントをネットでも使おうとすると契約金が増すことも多い)ネット単独でプロモーションしなきゃいけないこともあって、今回のケースも少ない予算で最大の効果を狙いにいった結果、自打球で戦線離脱って感じでしょうね。

これがサントリーの「やってみなはれ精神」ゆえの炎上ってことでもないんだろうけどさ。

ただ、電通さすがだなあと思ったのは、100%批判で埋め尽くされるネタではなく、一定の擁護派も出てくるようなところをついてきてるところで、「上品か下品か」でいえばほぼ全員下品と答えるんだろうけど、これが「女性蔑視か」と問われたら意見がわかれてる。キャスティングを男女入れ替えたバージョンで同じ批判が起きたかというと起きなかったと思うしね。

また、この動画を喜々としてシェアしてるおじさんもFacebookとかのぞいたらたくさんいた。

少なくともこの商品のターゲット層のけっこうな割合を占めるおじさんにはウケてたわけで、企画としては悪くはない。

あ、ぼく個人はこういうあざとい企画は嫌いですけど、でもベタではあるのでたぶん100案考えろといわれたら入れちゃうと思います。
(そして大事なことは好き嫌いと是非はわけて論じるということです)

一方で予想どおり燃え盛るわけです。その点では企画としては良くもない。

むかしは2chの中だけで「次の祭りはどこか」と徘徊していた人たちが、いまはネットのあちこちにいるので、企業としてはほんとうに大変な時代になってしまったなと同情します。

こうした炎上を防ぐためにも現代マーケティングでは「いかに届けないか」を考えないといけないんだけど、いまだに評価指標がPVや再生回数になってる企業も多くて、その基準をクリアするために今回のような不幸はこれからもつづくんだと思う。

誰も幸せにならないのにね。

おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり